緩和ケアセンターとは

 緩和ケアチームは、麻酔科医、精神科医、がん性疼痛看護認定看護師、薬剤師からなり、がんによる身体的、精神的苦痛を軽減することを第一の目的に2006年に発足しました。
 金沢大学附属病院では、がん病変に対する治療を積極的に行っていますが、治療の経過中には様々な苦痛が生じることがあります。がんによる身体の疼痛は、持続的で強い痛みであり、苦痛の訴えの中で最も頻度が高いものです。身体の疼痛が持続すれば、不眠、不安、抑うつ、せん妄などの精神的な苦痛も増悪しやすく、人としての尊厳までもが奪われ、家族や医療スタッフにも強い疲労感を与えます。
 緩和ケアチームでは、専門的な知識と技術を駆使して、各種の医療用麻薬や精神治療薬を使用し、がんによる身体および精神的な苦痛に対応しています。痛み治療では、麻酔科医としての知識と技術を生かして、PCAポンプを用いた医療用麻薬の静脈内投与、脊髄鎮痛法(くも膜下および硬膜外鎮痛)、神経ブロックを用いています。
 また、がん治療の経過中にはスピリチュアルペインに悩む方も少なくありません。スピリチュアルペインとは、がんに罹患することで死を身近に感じ、自己の存在と意味が消滅することから生じる苦痛です。スピリチュアルペインは、医療者が直接に解決できるわけではなく、本人が考えて自分自身で軽減するしかありません。しかし、苦境にある時に独りだけで考えることは実際には困難です。
 緩和ケアチームでは、医療者と患者が対話することで、スピリチュアルペインに向き合い、苦境の中をいかに生きるかを共に考える「がん哲学外来」を開設しました(麻酔科蘇生科専門外来).「自分の死を自分で創る」「人間は物語を生きている」「いかなる状況にあっても人生には意味がある」との人間観に基づいて、人間の体と心だけでなく、人間らしさを形成する精神次元にも意識を向けて活動しています。